na2kox's diary

熱しやすく冷めやすい人間の生産性のないくだらない日々を綴る備忘録です。

第6話「白夜の終わり」

「白夜の終わり」というサブタイ。深いです。
"夜なのに太陽が出ててさ、夜が昼みたいになってさ。ダラダラグズグズ人生は続いていくって話"
白夜のようにただ惰性で生きている松浦の人生を、同じ道を辿っている亮司が自らの手で終わらせた。引き受けたのか、断ち切ったのか。ここからが本当のはじまりという訳でしょうか。全てのカードを裏にして偽者として歩いて行く事を選択。

1番寂しかったのは、きっともう友彦と昼間歩けないこと。小田原まで温泉旅行せっかく組んでくれたのに。いい奴だな。ただお腹がゆるいだけの男じゃないぜ。

「俺が想像してる、お前の考えている方法よか、その方がマシだと思う。お前な本当の強さっていうのはな・・・打たれても打たれてもまた立ち上がる力の事だぞ!」
かなり名台詞。友彦は段々と亮司にとって大切な存在になってますよね。亮司に対しても視聴者に対しても。はじめはこいつで大丈夫なのかと(裏の仕事面にしても)思った訳ですが、ごく自然に馴染んでなくてはならない存在になった。またキーポイントとして出演はあり?でしょうか。また見たい。

さて、唐辛子刑事。まぁ、ここまで滅多打ち殺人だと思わなかった。というより1話で2人死ぬとは思わんだ。これは9時台のドラマです。なぜ10時台にしてくれなかったのん・・・。
予想に反してといえば、唐辛子が転がるという韓国ドラマのようなベタな設定だけに使われるとは・・・!唐辛子を使ってなんらかの殺人が行われるのかと思っていたわけだが、なんともはや。
しかし笹垣が古賀の弔いのように、カップ麺に唐辛子をかけて咽び泣くのは胸にきたね。
古賀の死は笹垣が2人に対する執念の炎をより強くする為に、必要だった死なのかもしれんね。ラストのシーンなんて笹垣暴れ馬みたいになってたからな。彼を放置してはならない。いきなりあんな殴り方って・・・元気すぎんだろ・・・!
友彦が「亮って人の事ですか?」と名前を出したのは、これから自分に矛先を向かわす為の亮司の指示かな、と思った。その結果、友彦殴られて気の毒だが。

古賀に続き(時間にして数分差という)松浦も死んだ今回。
亮司を脅し、支配し続けていた邪魔な存在だった松浦にも、救われない過去があり亮司と同じ白夜を彷徨っていたひとりだったという酷な展開。
これで松浦は、これから榎本の所でも自分を通す事を約束させた事も、雪穂にヨリを戻すように言ったのも、亮司が自分の元から離れる事や、自分なしでも生きていけるという事を理解したくなかったという考えもできるようにもなった。
ある意味、兄代わりのような松浦の最期は壮絶でした。忘れられない名シーン。

亮司が松浦を刺した後に言い放った
「・・・死んで? もう・・・アンタなんか、いないほうがよかったんだ」
この言葉は、松浦にとって何より酷な一言だったでしょうね。松浦が過去に言われた言葉と被せるように亮司が言ったという事にまた重みを感じる。
その言葉に対しての松浦の最期。
「あれ・・・キレイだろ。パチモンの昼間。捨てたもんじゃないよ・・・」
偽者でも捨てたもんじゃない、って松浦の言葉は亮司にどう伝わったのか。
またここの二人の演技が凄くて見ているこちらがかなりの労力を費やした。

ガサ入れの件を伝えようと松浦の家に行った先で、思いがけず胸元のはだけた母親と遭遇し、友彦によって留められた殺意が一瞬にして発作のように衝動的に動いたんでしょうが、子供の頃は見えないふりをしてずっと出来なかった事であって。
「ずっと・・・俺ホントはずっと・・・こうしたかった。
 あんた来てからおかしくなったんだよ、うち。親も・・・俺も・・・」
この時と雪穂に抱きしめられる亮司は変わる事のできない11歳のままでしたね。

松浦を殺そうと雪穂が決意したその日に、亮司が松浦を発作的だったとはいえ殺害。
「私も、あんな男なんか死ねばいいと思ってた。...だから、やったのは私だよ」
9年前と同じあの言葉で、亮司の犯した罪を半分受けおうように示した雪穂。
その言葉に、戸惑うように雪穂の言葉をうまく呑み込めていない11歳のままのような亮司の表情が最高にすばらしかった。
「もうこれで全部終わる」と松浦殺害の後、雪穂にネガを届け、雪穂に「なんでこんな事したのよ!」と真意は違えど罵倒され混乱している中で、雪穂が亮司に不器用に伝えた言葉に対する亮司の感情がそのまま表れていて震えた。

「偽造は出来ないけど金くらい、いくらでもふんだくってこれると思うんだよ。強姦は出来ないけど、亮の好きなオンナの男、寝取るくらいはできると思うんだ。私、わりと頼りになると思うんだよ。お返しにさ、亮をもう一度、太陽の下に戻してあげるからさ。そういうのはどうかなぁ・・・?」

はじめに見た時は"亮の好きなオンナの男、寝取るくらいはできると思う"という台詞にひっかかったんだけど(もう、偽造は出来ないけど金くらいいくらでもふんだくってこれる等の鬼畜な台詞には何も感じなくなっている訳で)それ位の事は亮の為ならば出来る、という雪穂の心の現れとして雪穂なりの精一杯の表現なのかと思い直した。
この二人に限っては、もう純愛だの愛だのではなく、それを超えた感情で結ばれていっていますよね。原作で記述されていた"エビとハゼ"という「寄生」ではない「共生」関係である二人というのが改めて理解できた今回でした。

後々の伏線となりそうなのは。
・雪穂を「関係者」だと言った篠塚。少々の疑いを持ちはじめた様子。
・礼子に睡眠薬入りの養命酒を飲ませて行った行為。原作どうり、今回のラストの様子でいくとアレだけど。今後も睡眠薬は使う機会がありそう。
・来週からは高宮さん落ちていくの巻。彼は唯一純粋な恋をする人だけどね。