na2kox's diary

熱しやすく冷めやすい人間の生産性のないくだらない日々を綴る備忘録です。

モーツァルト!


モーツァルト (帝国劇場 昼の部)
井上芳雄 木村佳乃 市村正親 高橋由美子 山口祐一郎ほか

芳雄君のヴォルフガングを観てきました。
あっきーのは7月に見ていて、芳雄君のも見たいと思っていたので、やっと。

かなり期待していたんですけど、ね。その話はまた後で。

ところで、木村佳乃凄い。何が凄いってあの歌声でミュージカル出ようと思える所が凄い。歌の巧さが伸びないんであれば、せめて声量だけでも努力して欲しい。

今日も祐様は絶好調。この役って彼にしか出来ないよね。
なんでこの人は存在自体がネタなんだろうか。つうかでかすぎるよ。

モーツァルト!2度目でした。
この作品って結構暗いから、マチソワはかなりきつそう。レミゼも暗いは暗いんだけど、モーツァルト!は精神的な暗さというかどっと疲れる感じ。

自分の影から逃れる事が出来ずに死んでいったヴォルフ。
でも同時にアマデも死に、死後も影から逃れる事は出来ないんでしょうね。
天才にしかわからない苦悩っていうのはやっぱりある。この辺の事を考えるといつも総司を思い出してしまう。
才能に潰されるかもしれない恐ろしさなんて、経験する人は限りがある。

キャスト感想。

・井上ヴォルフ
かなり期待していたんですけど、多分勝手に期待が大きすぎたのかもしれない。
演技はやっぱり素晴らしい。声も通るし聞き取りやすい。無邪気な部分に反して天才的な部分、凄く伝わってきた。

ただ歌が。「僕こそ音楽」と「影を逃れて」等のバラード系というのかこの辺の曲調はやっぱり流石、なんです。「僕こそ音楽」なんて鳥肌がたった。
芳雄君が、舞台上でこの歌を聴いた事が初めてだったので、アマデとの絡みや舞台全体を使いながらのヴォルフとしての「僕こそ音楽」が素晴らしかった。
ただ、ロック調の歌になるときつい。声が出なくなるのよね。高音が。
そこは声域の問題だから、練習すれば出るようになるかもしれないんですが。
ロック自体があの芳雄君の声楽出身の歌い方には合わない。無理してロックで歌ってる訳じゃなく、ちょっと崩しているだけだから、また目立つ。

そのきつさっていうのが、他の人がやっていたらアリだな、と思えるきつさだと思うんですけど。芳雄君だからこそもっと出来るはずだ!と思ってしまう。
初演の時の芳雄君よりも更にパワーアップしているらしいので、きっと次の機会があればもっとよくなる筈。経験すればする程、自分の引き出しを増やす人だよね。

芳雄君って綜馬さんと得意な曲調が似通っている気がするんですよ。
でもね、綜馬さんはロック調の歌もバラード以外の歌も、自分のものに出来るんだよね。その辺はきっと経験の差なんだろうな。

さて、アッキーヴォルフも見た上での感想。
アッキーよりも芳雄君の方が大人だった。(まぁ年齢もありますけど)
アッキーは、なんていうんだろう。少年から青年への間という感じなんだけど、芳雄君は青年って感じ。色っぽかった。
女の子と絡んだ後とか、ほんとこいつはどうしようもないなって感情を、芳雄君ではじめて感じた。アッキーだとあんまりそれ感じないんだよね。あまりエロさを感じない。

アッキーの方が、天才度は高いような。生まれながらの天才といった感じ。
芳雄君はアッキーよりは天才を感じない。
でも、アッキーを見た時はアマデと別々な存在のように見えたんですが、芳雄君はアマデを包み込むような演技をしていた。不思議だ。

ヴォルフはどっちもそれぞれの魅力があっていい。とよく聞いていたんですが、確かにそう思います。全くカラーの違うヴォルフですよね。
ただね、私は個人的にアッキーの声が苦手なので、高音がよく伸びるアッキーでも駄目なんだよね。でも聞くならバラード調は芳雄君、ロック調はアッキーだな。
そんで演技は芳雄君。我が儘すぎる。

・木村コンス

噂でかなりやばいと聞いていたので、相当やばいんだと前置きをしながら見ていた。
それでも1幕はまだ大丈夫。聞ける範囲。というか聞こえないんだけど(笑)
声量がなさすぎてオケと歌声が重なって聞き取れない所多数。
2幕のソロ。・・・・・・・・・・・・・・・・。
その獅子舞みたいな踊りは・・・。必死さは伝わるんだけど、歌が歌が。
とりあえず語尾は伸びない。というか伸ばさない。伸ばすときっと大変な事になるから。
高音は出るは出ますという感じ。基本的に歌上手くない。
必死すぎて力任せすぎ。あれって周りの人はどう思ってるんだろうか。特により近くで見ている芳雄君は(笑)

演技はいいって聞きましたが、私はあんまりかな。
可愛さを感じないんだよね。少年くさい。体型も含めてなんだろうけど。
西田コンスを見ているからより思うのかも。

・山口コロレド

彼はもう自由だよね。
コロレドを地でやっている感じがしてならない。存在だけでいい(笑)

2階席で見ると、あのでかさに包容力を感じてかっこよく見えるのは幻想なのか(笑)
なんかね、彼のコロレドは何度も見たくなる衝動に駆られる。
独特の歌声も含めて、あの奇妙な動きと奇妙な台詞回しはツボにはまる(笑)

木村コンスのソロの後に山口コロレドソロがあって、救われます。観客が。ぶ。
声量とかこんなにも違うものなんですね、としみじみ感じさせる。
祐様は所々でかすぎてスピーカーがぎしぎしいうからね(笑)

・香寿男爵夫人

可愛い。かわえぇ。可愛い。
ただねー、歌が今日は絶不調でしたね。2幕は持ち直してきたんだけど、1幕のソロは高音が上がらなくて、1回ずれたしね。頑張って!と拳握る感じでした。
この日しか見ない人にとっては今日の香寿男爵夫人の歌の「星金」が「星金」であって勝手に切ない。香寿さんの「星金」はこんなもんじゃないのよ!

・高橋ナンネール

やっぱり歌声が好きです。高音とか綺麗なのよね。
特に「♪私はプリンセスで弟はプリンスよ」のメロディが好き。可愛い。
ナンネールについては、モーツァルトのせいで人生が狂ってしまったっていうのは違うと思う。自分自身の問題。

・市村レオポルト

高音がきつい。羊が震えてるみたいな声になって聞いてる方が辛い。
年齢もあるんでしょうかね。父親が出てくるとなぜか眠くなる。
この父親は見る度に思うんですけど、いろんな意味で可哀想な人ですね。

長くなった。
モーツァルト!は面白いんですけど、歌もいいし。あまりそこまではまらないような気がします。なぜかというと答えは簡単で、主役がおっさんじゃないからですねー。
もうこれ趣味の問題ですねー。あっはー。