na2kox's diary

熱しやすく冷めやすい人間の生産性のないくだらない日々を綴る備忘録です。

同級生

同級生 [DVD]

同級生 [DVD]

多分、女の子が見たらキュンとするのではないかと。
最後の最後に映画のタイトルの意味がわかって、鳥肌。ちょっと感動してしまった。

とりあえず、中村優一が素晴らしく綺麗に撮れている映画だと思うので、ファンの方は見て損はないかと。

では、ネタバレ感想なんぞを。

体育館ベイビー」と世界観がリンクって話だったんですが、見る前はイマイチ意味がわかってなくてですね、同時に2つのことが進行しているのか、それとも世界観は同じだけど全く違う話なのか。

答えは、冒頭に村井が溺れた潤を助けるか、助けないかで、開いてく世界は変わっていくという感じでした。
ちょっとしたことで、運命は変わるってことなんでしょうね。うまいことできてるなぁと感動した。これほんと2つ見ることをオススメします。両方見て埋められる部分が多々あるので。些細なところで言うと、同じ人に同じ言葉をかけるのも、受け取るのも、全然変わって来る様ってのを感じられたりしますよ。

さて。ストーリーの方は、本当に王道の純愛ストーリーなんですが、流れ自体はこの監督独特なのかゆったりしていて、また同じく映像も綺麗で、じっくり楽しめました。キャストも同じくフレッシュで、高校生っていうキラキラしている時間を一生懸命生きているサマは素敵でした。

恋愛映画でほとんどといっていい程泣かない私ですが(というより恋愛映画を全く見ない)、うっかり泣いてしまったわけで。なんだかほんと切なくてね。

潤がジュンの好きだった星を眺めながら
「ジュン、誕生日おめでとう。来年の今日までは同級生だね・・・」
このシーンで映画のタイトルの意味が解けて、泣けてきてしまいましたよ。切なくて。
死んでしまったジュンはもう年をとらないからね。


細かい所で言えば、ジュン=希実が潤のメールアドレスをしるくだりなどなどに無理があったり、希実が素直になれない性格ってところを抜きにしても、あそこまで潤にケンカふっかけるのは何故なのと疑問に思ったりするんだけども。(後者は自分にはもう絶対に出来ない事をすぐに諦めたりして欲しくないっていう気持ちから、潤のことを思って強く言ってしまうって解釈の仕方もありますが。それにしてもキレやすい気がするがww)
まぁ、この子が実はメール相手なんだろうなぁってのも相当前の段階でわかるわけで。王道の恋愛ものなわけで、斬新さはないし、ストーリー自体ぬるくもあるんだけどね。ちゃんなかが出てなかったら泣けてるかって言われたら自信はありませんがww
要は、粗は言えって言われたら色々あるけど、あんまり気にならなかったなぁって感じですね。贔屓目抜きにしても、この監督の世界観、色味、映像、結構好きですよ。

潤に関して言うと、「体育館ベイビー」よりもキャラクターにリアリティがあったと思う。重点を置いている部分が違うから、よりそう思えたのかもしれない。簡単に言えばちょっと性格が悪いっていうかw まぁこれは悪く言いすぎですけども、自分中心に物事を考えてしまうといいますか。良く言えばひとつのことしか目が見えなくなるといいますか。何か悪いことをしてしまった後にすぐ反省したり、でもまた繰り返してしまって、またまた反省したり。そんな部分がとても高校生らしくて人間味があったかな。そういった部分もジュンっていう存在があったから見られた部分でもありますし。
その点のちゃんなかの演技は、高校生らしくて可愛くて良かったですよ。彼自身、潤は自分に凄く近いって語っているようにぴったりだったんじゃないかなぁ。


ところで、潤はどっちのほうが幸せだったんだろうか。
「同級生」の方では父親との関係も多少のきぐしゃくを残したまま。やっと本当の自分を見せる事が出来る、理解者でもあったジュンという存在がいなくなってしまう。あの多感な時期に、夢を失い、挫折を味わって、その上立ち直る勇気をくれた人間を失うっていうのは、どれだけの痛みを伴うかっていうね。
体育館ベイビー」では父親との関係のわだかまりは解けて、なんとか進み出したわけで。

人生で誰もが出会えるとは限らない大切な存在に苦しみは伴うけれども、出会えるかどうかって所なのかなぁ。かといって「体育館ベイビー」の潤だってこれからそういう存在に出会う可能性もあるしね。村井って可能性もあるし。父親との関係もこれから変わっていくだろうしね。

結局は運命ってのは難しいもんだ。
ってところに落ち着くわけで。そう考えると意外と深い2つの映画でもありました。